泣けるBLアニメ【『Hybrid Child』中村春菊】ネタバレ感想
『Hybrid Child』中村 春菊
中村春菊先生と言えば『純情ロマンチカ』が代表作ですが、私は『世界一初恋 ~小野寺律の場合~』の方が好きです。
そして『世界一初恋』よりもっと好きなのが、この『Hybrid Child』です。
私はアニメ版で見たのですが、何度見ても泣けます。
やっぱりアニメは喋るし動くので、より感情移入しやすいですし、アニメで見ることをオススメします。
この物語は時系列が遡っていくので、時系列順に逆からレビューしていきます。
第3巻・第4巻(黒田×月島)
こんなに心締め付けられるBLを、私は他に知らない。
月島そっくりの人形を何体作っても、本物の月島は戻ってこない。
それでも人形を作り続ける黒田を想うと胸が痛いです。
月島のいない現実を受け入れて、月島に似た人形を作り続けることで、黒田の心が満たされるのだとしたら、それはそれで辛い。
黒田が一途であるほど、想い人がこの世にいないことを突きつけられるというか、黒田の心はずっと、月島の死と隣り合わせにあるままで。
生前、黒田と月島が体を重ねた時、月島が部屋を出て行き、黒田は「泣きなどしない」と言って、静かに涙を流します。
切腹に行く月島を追いかけるわけにはいかないし、これが2人の最期だと思うと、とても悲しいです。
それから、試作品のハイブリッドチャイルドが黒田の心を映した時も、また泣けます。
黒田はきっとその時まで、自分がハイブリッドチャイルドを作る理由に気付いていなかったんだと思います。
でもハイブリッドチャイルドが映し取ったのは、生前の月島のとある行動で、黒田はそれに号泣します。
以後、黒田はきっと自覚してハイブリッドチャイルドを作っているはず。
だからこそ、月島人形を作り続ける黒田は一生報われないわけで、死別のやるせなさといったらないですね。
第2巻(瀬谷×ゆず)
とりあえず瀬谷が不憫。優しい人だから、戦の後病んで、普通に過ごせるようになった今でも、戦のことで恨まれて命を狙われて。
そして優しいからこそ、自分が傷付けられることで恨みが晴れるなら……と思ったんだろうと思います。
瀬谷だってあの戦で月島を失ったし、辛い思いもしたのに、何で瀬谷が恨まれないといけないのでしょう。
ゆずはなかなか成長しなくて、瀬谷とは親子的なイメージが強かったので、別に結ばれなくてもよかったかなというのが、個人的な感想です。
瀬谷はゆずのことを子どものように可愛がっていたと思いますし。
瀬谷を恨む人のせいで、瀬谷がああなってしまってからは、ゆずに支えてもらって幸せになってほしいと思いました。
第1巻(葉月×小太郎)
葉月って、瀬谷が黒田を訪ねた時に出会った試作機とは別物なんですよね?
試作機だから売り物じゃないだろうし、何より外見が違う。
葉月が壊れて黒田に直してもらいに行った時、葉月の型番0001を見て月島のことを思い出すシーンがあって引っかかりました。
何も繋がりがなければ、本当に前座的なストーリーってことになるし。
黒田が月島のことを思い出したのは、小太郎が葉月じゃないとダメだと必死になる様子を見て、自分も月島じゃないとダメだから、葉月を直してほしい小太郎の気持ちが理解できるって意味なんでしょうか?
感想というより、最初にこのストーリーを持ってきた意図が気になってしまいました。
まとめ
繰り返し見たアニメだし、ストーリー知ってても号泣します。ティッシュ必須です。
この物語は、人によってハッピーエンドかバッドエンドか別れると思いますが、私はどちらとも言えないです。
月島人形を作ることで黒田自身が幸せを感じているのだとしたら、返って辛いから。
生前の話でもいいから、生きている月島と黒田のストーリーがもっと見たかったです。
これからも、何かの折に思い出しては、繰り返し見て号泣するんだろうな。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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