映画【エゴイスト】のあらすじと感想
2023年2月10日公開。
原作『エゴイスト』高山 真
・あらすじ
14歳の時に母を病気で亡くした主人公、斉藤浩輔。
ゲイであることから地元ではいじめに遭い、大学進学を機に上京。
卒業後は、出版社の編集者として成功した人生を歩んでいたが、恋愛に関しては長続きするような相手になかなか巡り会えずにいた。
そんなある日、30を過ぎて体型が気になりだした浩輔は、パーソナルトレーナーの龍太と出会い、恋に落ちる。
龍太は病気の母を養うため、必死に働いていた。
亡き母への思いを抱えた浩輔にとって、龍太のことも龍太の母のことも、他人事とは思えなかった。
浩輔は龍太と龍太の母に寄り添い、3人で幸せな時間を過ごしていた。
しかし、その生活も長くは続かず、3人に残酷な運命が待ち受けていた。
映画は公開前からチェックして、安い日に休みを取って見に行く私ですが、この映画は正直ノーマークでした。
公開前にたまたま気になって、公開当日がちょうど休みだったので見に行くことにしました。
2020年に亡くなった高山真さんというゲイの方の自伝的小説(2010年9月の出版当時は浅田マコト名義)を元に映画化された作品です。
主演は鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんで、主人公の友人役には、リアルにゲイの方を起用されています。
予告を見てもキスシーンがあり、R-15というところが気になりながら見に行くと、けっこうがっつりと絡みのシーンがありました。
ドキュメンタリータッチで描かれ、本当に今起こっている日常の出来事を切り取ったような、そして、男性同士の性的なシーンが自然に描かれているかをチェックするLGBTQ+インクルーシブ・ディレクターを起用していて、セックスシーンもリアルさを感じました。
勿論男性同士のリアルな絡みを見たことがあるわけではありませんが、最近よくあるBLドラマのような、キレイに魅せるためのベッドシーンとは明らかに異なっていました。
めちゃくちゃ感動しました。
帰宅してもエゴイストの世界観を引きずったままで、YouTubeで舞台挨拶の動画を見たり、原作の本を購入したぐらい良かったです。
エゴイストというタイトルの意味については、正直映画を見ただけでは私にはわかりませんでした。
主人公はただ優しく、思いやりにあふれた人だと思ったけれど、原作ではそれこそがエゴなのだということを、もっとわかりやすく書かれています。
世の中にはそんなエゴもあるのかと気付かされ、考えさせられました。
主演の鈴木亮平さんの演技もとても良かったです。男らしいイメージが強かったので、こんなに物腰の柔らかい人物を演じることができるのかと驚きました。
公開日から約1ヶ月が断ちますが、私の家の近所の映画館ではもうすぐ公開終了になっています。
もしまだ見てないけど、気になってたという方がいたら、是非見てください。
あるいは原作本を読んでみてください。
私は通勤中に読みましたが、何度も電車の中で泣きそうになりました。
最後に、私は腐女子ですが、この作品は単に腐女子を楽しませるようなBLではなく、一人のゲイの物語であり、人間愛のお話です。
世の中から少しでもLGBTQ+への偏見や差別がなくなりましょうに。